神奈川県の公立高校のシステムは、初めての人にはややこしく少々理解しづらいものです。私も長男が子中3になって、具体的に志望校を選ぶ時期になってやっと、なんとな~く理解できました。ここに軽く説明します。ご参考までに。
前提は、高校浪人を作らないこと
神奈川県の教育委員会の高校受験における大きなテーマは”高校浪人を作らないこと”。そのため公立受験をする場合、セーフティネットとなる私立高校を併願校として設定するのが必須です。併願校を設定しないと、中学校の担任の先生はOKしてくれず、受験の事務手続きに進むことができません。
セーフティネットとはどういうことかというと、ここで絡むのが内申。セーフティネットとして機能する私立高校は、「内申○○点以上なら併願可」と提示していますが、この内申点をクリアしていれば、願書を出した時点で事実上合格は確定するということ。
入試当日、受験はしますが、
- 当日ボイコットしたとか
- 答案を白紙で出したとか
- カンニングをしたなどという、いわゆる”問題行動”がなければ、合格が約束されています。
一見安心なシステム。でも…
あーよかった! どこかしら行くところはできるのね! とホッとするにはしますが・・・。ただし、これで引っかかるのは、この”併願可”という言葉の意味はあくまでも、“公立高校の併願とした場合のみ”ということ…!
人情としては、第一志望の公立高のレベルと同等の私立高校に入りたいものだと思います。同等の私立高が併願校となってくれるなら安心できますが、公立の併願をOKしてくれる私立校のほとんどは、本人の学力的に2ランク程度下がってしまいます。内申オール5取れている子の場合、または内申・成績共に下位である場合を除いては。だって、ちょっと名前聞いたことのある学校も私立の併願基準は、軒並み5×9科目で45、44なのです! 45,44なんて、品行方正な超優等生状態です。
要するに、試験当日失敗するようなことがあっても合格くれますよ、なんていう美味しい条件、
その学校にとっては特待生レベルの子だから許してくれるのです。
そして公立と同等レベルの私立を受けたい!となると、その学校には「だったら併願になってやらない!」と併願を断られてしまいます。他の私立の併願を受け入れるなんて、「商売敵に塩をあげるようなことなんてしないよ! 」ということでしょう。このケースで受け皿となってくれる学校も、あるにはありますが、その場合はさらにランクが落ちてしまいます。
高校浪人を作らない、まだまだ幼い15歳の子どものために、当日入試に失敗しても最悪の結果とならないように守る救済措置だと聞きますが…。でも実際は、なんだか学校側のメリット重視、かけひき的な匂いがプンプン感じられます。
まあ、「いやならオール5取れよ!」と言われちゃうだけでしょうが。しかし、オール5取るのが、地道な努力が苦手な男子にはこれまた難しいのです(・_・;) そして母は各学校の内申基準点と我が子の点数を見比べては悶々と悩む中学の3年間なのです。