urashimamama長男は公立小、公立中で育ち、高校から慶應気塾高校に入学しました。
慶應義塾高校のいわゆる“外部生”です。
これまで地元の公立中学で素朴に生活してきた者にとって、
慶應高校での学校生活では「おお!いかにも私立!」「さすが伝統校!」と思うことがちょいちょいありました。
特にそれは、学内で使われる独特な言葉遣いに顕著に現れていて…。
そんな「これぞ慶應!なるほど~」と印象に残った言葉の数々をまとめてみようかと。
urashimamamaは、カトリックの中高一貫校の出身ですが、外国から来たシスター方が創立したおかげで学校独自の用語がありました。
たとえば、応接室のことを「パーラー(parlour)」と呼んでいたり、
靴箱のあるスペースを「クロークルーム(cloakroom)」と呼んでいたり…
urashimamamaが中学生だったのは1980年代。
一般的にはそのような言葉は使われておらず(現在でもほぼそうですよね)当時中学生だったurashimamamaは、
「パーラー」と聞いて、「フルーツパーラー?なぜ?」と目が点だったり、
はたまた
「クロークルーム」というその言葉自体をなかなか聞き取れずに、
「え?ク…クロック?…時計?時計の部屋?あそこ時計ないよ!?」
とか混乱してたなあ~笑。
意味が分からないながらも、口真似しながらも、ここは日本でありなが外国仕込みなんだなあ~と、
西洋的な匂いにワクワクしたり、そんな言葉を使える環境に居ることを誇らしく思った記憶があります。
urashimamamaもそんな経験があるので、その学校独自のワードにビビットに反応するのかもしれませんが…。
外部生母urashimamamaから見た
「これぞ慶應!なるほど~」と唸ったワードをまとめてみます。
「先生」は諭吉だけ
これは一般的にも結構知られていることだと思いますが、
慶應義塾で「先生」は福沢諭吉先生のみ!
他は「君」で呼びます。
urashimamama家のパパは大学OBなので、パパからもこのエピソードは聞いていました。
たとえば大学の掲示板での休講の連絡などで教授名が掲示される場合、教授名の表記は必ず「○○君」なのだそうです。
どんな教授も福沢先生のお弟子ということなのでしょうね。
また学問の前には、教授も先生もなく誰もが平等!というポリシーの表れでもあるでしょう。
さすがに教授と直接お話しするときは「○○先生」とお呼びしていたそうですが。
でも友達同士で教授の名前が話題に出るときは「○○さん」だったみたい。
またはあだ名。あだ名はどこの学校でもあるあるですね~。
福沢先生以外は先生とは呼ばない風習は、塾高ももれなくで。
やはり長男たちは先生のことを「○○さん」と呼んでいました。
もちろん直接先生とお話しするときは「○○先生」とお呼びしますが。
サッカー部は「ソッカー部」
塾高サッカー部は「ソッカー部」と表記されます。
「サッカー」なのに「ソッカー」。
soccerをそのままに近い状態で読んだ表記です。
きっとサッカーが一般的に認知され「サッカー」と表記されるようになる前から、
この競技をいち早く取り入れていたのだろうと伺える、ハイカラな響きがあります。
そして英語の発音にできる限り近づけて表記してみたというアカデミックなこだわりも。
ハイカラでアカデミックで…非の打ちどころないじゃんー。
調べて見ましたが、慶應義塾のサッカー部創設は1921年。
そして1927年に「ソッカー部」の名称で正式に慶應義塾体育会に加入したそうです。
Soccerの発音は「“サッカー”よりも”ソッカー”に近い」という発音へのだわりから。
初代主将・浜田諭吉氏の説によるものでした。やっぱりね。
(参照:慶應義塾体育会ソッカー部、 ウィキペディア慶應義塾体育会ソッカー部
1921年とは和暦にすれば大正10年。
まさに大正デモクラシー!
大正ロマン!
ハイカラさんの世界です~。
ちなみに一般的に「サッカー」と表記されるようになるのは戦後から。
やっぱりハイカラ+アカデミックでした。
他にも、部活名表記に歴史を感じるものがあります。
- テニス部=「庭球部」
- ラグビー部=「蹴球部」
- アーチェリー部=「洋弓」
これらもソッカー部と同じことでしょう。
「テニス」、「ラグビー」、「アーチェリー」、それぞれの競技が一般的に知られ、そのままの言葉で呼ばれるるようになる前から部として成立していたのだろうなあと伺えます。
今も敢えて漢字表記をするところに部の歴史が伺えます。
「部長」は部活顧問のこと
塾高の部活では「部長」は部員のリーダーではなく、顧問の先生のこと。
この使い方、外部生母urashimamamaとしては、ちょいちょい混乱しました~。
会話の中でついつい「部長さん」って言ってしまうと、先生のことになってしまうので。
で、部員の長、いわゆる一般的な「部長」、「副部長」は、「主将」「副将」と呼ばれます。
この「主将」、「副主将」と、事務方を取り仕切る「主務」が部活の幹部三役です。
生徒のことは「御子息」
保護者会案内などの連絡物では、子供のことを「御子息」と表記されています。
公立小中では、「お子様」とか「生徒」ですよね、普通。
「御子息」なんて表記、これまでの公立小中では一度もお目にかかったことがありませんでしたので、
「いかにも私立!」となにやら新鮮で~www。
と同時に、urashimamamaの出身校でも確かに「御息女」だったよぉ~!と思い出しました!
「御子息」の活字が目に入った瞬間、「ああ、コレコレ!このノリ懐かしーい!」と思いました(笑)
「御子息」、「ご息女」…ちょっと昭和な匂いもしますよね。
平成以降だと、敢えてそうまで表現しないような…。
公立でも高校生にもなれば、「御子息」と表記するかしら?
16歳の子相手に「お子様」とか言わない?とも思いましたが、
やはり公立は「御子息」ではありませんでした。
今年次男が県立川和高校に入学しましたが、学校からの通知には、
これまで通りの安定の「生徒」、「お子様」表記でした。
やはり「御子息」は私立ならではの表記らしいです。
そして、この風習があるためか、お母さん同士のメールのやりとりでも「御子息」でした!
部活保護者会やクラスランチ会などの連絡のやりとりでは相手のお子様のことは必ず「御子息」でしたね。
多分、すごく仲良くなってからはもちろんそうではないと思いますが。
うっかり「お子さん」とか書いちゃいかんのねえ~!と注意喚起した覚えがあります(笑)
ちょっと不思議に思えた!? 「愚息」
urashimamama、長男が最終的に落ちついた部活は親の交流がゼロのところでしたので、
ママづきあいが限りなくゼロに近い状態で終わりましたが、
クラスランチや、一時期所属していた部活での保護者間の連絡のやりとりで、
「おや?」と引っかかった用語がありました。
それは、我が子のことを必ず「愚息」と表現すること。
メールのやり取りでは常に
「いつも愚息がお世話になっております」
が冒頭のお約束のフレーズでした。
これまでの公立での生活だと、シンプルに「息子」、「娘」または「子ども」。
「いつも息子(娘)がお世話になっております」
という感じにサラッとだったので、
「愚息」と来た時には、urashimamamaとしては、ちょっとビックリで。
もちろん、必要があれば「愚息」と言うべきとはurashimamamaも認識はありますけどね。
でもurashimamamaとしては「愚息」を使う感覚って、
何か特別にお世話をかけたり、具体的に何かご迷惑を掛けたりしたときに
「愚息が大変ご迷惑をおかけいたしまして」
と使ったり、
または
「この度ウチの愚息の就職が決まりまして…」
とか、ちょっと我が子の誇らしい話をするときに、謙遜を示す意味で「愚息」と言うとか、
そんなレベルだと思ってたので。
こんな感じに何事も無い時からいきなり「愚息」って言うってどう??と…(@_@。
それはurashimamamaが語彙レパートリーが少ないから?
urashimamamaの性格がカジュアル過ぎなのかも?
…でも…でもでも!
もちろん親子共々いろいろお世話になってはいるけど、
どっちが下とかないじゃん?そこまで卑下する必要ないじゃん?
と思ってしまうので…。
それに高校生の男の子なんて、どうせ「愚息」じゃん?笑
子供の親同士のつきあいで「愚息」なんていちいち使ってたら、
お互いに「愚息」過ぎて、永遠の「愚息」ループにハマって行くしかないんだけど(^_^;)
…あ、それとも慶應なら優秀なお子様ばかりだから、
「愚」にもどこかで限界がある?
下げ止まるところがあるから使える!?
…それか慶應って難関校ではあるから、
あらゆる面で優秀な子が揃ってるよね?
だから周りに比べて我が子は全然ダメで困りました!
負け負けです!
とか思っちゃってる?
お宅様の御子息より「愚息」だから、
すみませんって先に謝ってる?
先に負け認めて?
お宅の御子息より全然優秀じゃないから、
負けてるから気にしないでね。
張り合わないでね。
仲良くしてねってこと…?
…え…?
…それって…
要は逆マウントかい!?
「愚息」と自らを先に下げて、
実は牽制…??
urashimamama、
「愚息」を目にする度にあらゆる方面に憶測が広がって…
なんとも不思議な気分がしました~。
こんなことに不思議に思ってしまうのは、
「愚息」なんていちいち書いたことのない田舎者保護者だからかもしれないけど…(‘_’)
「愚息」を使いこなせないurashimamamaの失敗
しかし、この「愚息」に慣れないせいでurashimamamaちょいちょいやらかしました!
この「愚息」習慣に気付いたのは、長男が一時期在籍した部活の保護者会の出欠連絡でのこと。
主将のお母様宛にメールを送信しましたが、これが初めての保護者間での連絡だったurashimamamaは
「愚息」習慣など知る由もなく、これまで通りに
「いつも息子がお世話になっております」
でメール送信。
すると間髪いれず即行で来た返信に(なぜかすごーく即行です。熱心さの表れ?)
「いつも愚息がお世話になっております」
と来てビックリ。
先輩のお母様、しかも主将のお母様、顔も見たことないお母様に
「愚息」なんて言わせちゃったよぉーーーっ!!(>_<)
ウチの方がずーーーーっと愚息ですぅ。
さーせん…(;_;)
この「愚息」の二文字を見た瞬間、
「おお!この世界はそこまでポライトなのかっ!?」
と感心しつつ、
「でもさあ~そこまでやる???」
とも。
公立のカジュアル過ぎる世界に浸りきっていたurashimamamaとしては、
違和感だったなあ。
ただ…
主将のお母様、urashimamamaより少し年齢が上のようだったし、
古風でとてもきちんとされた雰囲気の方だったので
特別丁寧な言葉遣いだったのかも、
とも恐縮しながら思いました…。
しかし「愚息」はやはりテッパン!またしてもやらかした!
そして1年ほど経ち…
今度はクラスのランチ会の出欠連絡をする機会がありました。
返信メールを送る際にurashimamama、
かつての主将のお母様とのメールのやりとりを思い出し「愚息」は使うべき?
と少し躊躇しましたが…。
しかし、やはり違和感が拭い去れないurashimamamaとしては
まあいいか、
そこまでは、きっとやりすぎだよね。
わたしのキャラには合わないし~
と従来通りに
「いつも息子がお世話になっております」
と冒頭挨拶でメールを送信。
すると…
するとすると!
またしても即行で返信がっっ!!
かつての主将のお母様の返信メールの早さにも驚きましたが
またしても!!
あの素早さは一体何なんだ?
本当に、秒で返って来るのです。
実は私のことじっと見てた?
待ち構えてた?
って感じに間髪入れず。
さすがに見張られてるワケないでしょうけど…www
熱心さ、ポライトさがこのスピード感に表れてるのかしら?
誰かストップウォッチで計ってる?
目指せ記録更新か!?
反応早くて仕事がすぐ終わるので、助かるには助かるのですが…。
そして…
ハイ!もれなく返ってきましたぉーーーーっっ!
「いつも愚息がお世話になっております」
と「愚息」メールがっ!!!!!
「愚息」
この世界では全然やりすぎじゃないらしいーっ!!!
うわわわわっっっ!!!
やっぱりコレ、習慣なのかぁーーーーっっ!?(*_*)
やりすぎ!?と思って全然やりすぎじゃなかった
保護者会の黒スーツの件と同じだよ、コレ…(;_;)
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またまた相手に「愚息」と言わせてしまったurashimamama。
息子>愚息
ワテクシ、完全にマウントいたしました…(~_~;)
チーーーーーン。
そんなっ!
とんでもございませんでございますよぉぉっ!
お宅の御子息より、
ウチの方がずっと、ずっと、ずーーーーーっっっと、
何倍も何十倍も、何千倍も
何乗も、何百乗も愚息ですからぁぁっっ!!
すみません!すみませんっ!
許して下さいーーーっ!
ごめんなさいーーーっ!(>_<)
「愚息」の文字に恐縮し、ひたすら頭を下げるurashimamamaでした。
…だって、メールのやりとりした皆さまの御子息は
医学部狙いの優等生だったり、
英語が超優秀だったり
スポーツ万能な有名人だったり…
どなたもそれはそれは素晴らしく
優秀で非の打ちどころのない愚息様たちですからぁぁぁ…(;_:)
ああ、私が悪うございましたぁ~~(T_T)
言葉遣いとしては、大変礼儀正しいだろうなあとは思いますが。
これに慣れないurashimamamaが、言葉を知らない無礼者なのだとは思いますが。
でも…やっぱりやり過ぎじゃないかなあ?
今の時代にはちょっと合わないんじゃない?
とも思ってしまいます…(^_^;)
とはいえ、郷には郷に従えで、
その後は
「いつも愚息がお世話になっております」
のフレーズをurashimamamaも使うようにしました(~_~;)
公立中から塾高に入られた皆さま、メールの挨拶には「愚息」を使うようにしましょうね!(笑)