中学受験 偏差値とのつきあいかた

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中学受験パパ、ママにつきまとう悩みといえば、“偏差値問題”ではないでしょうか? 一体どうすれば、我が子の偏差値が上がるのか!? と、日々問答を繰り返していることと思います。

ママはこんなにあれこれ悩んでいるのに、子ども自身は全然ピンと来てなくて、偏差値がどうあろうと全然構わず勉強しない。そんな子どもの様子を見ていると、モヤモヤした思いが段々イライラに変わり、塾の授業料がバカにならない現実も火に油を注ぐ…。そして、親子バトル勃発…!!!

urashimamamaの長男が中学受験をしていた頃は、毎月のテストの度に、こんなバトルを繰り返していました。最初から難関校を狙える超高スペックなお子様でない限り、中学受験に取り組む多くのご家庭では、きっと同じようなことをしているのでは? と思います。

しかし、中学受験、高校受験をひと通りやってみると、少なくとも小学生の頃は、あそこまで偏差値にキイキイ言う必要なかったんじゃない?? と、つくづく思います。そんなurashimamamaの反省を込めて、中学受験での偏差値とのつきあい方について考えてみたいと思います。

少なくとも5年生までは大らかに。偏差値はあくまでも“目安”

はっきり言って、4、5年生、そして恐らく6年生の前半までは、偏差値はあくまでも参考程度。深刻に考える必要はないかと思います。

この頃の子どもは、まだまだ中学受験について本当の意味で理解していません。そして偏差値も何のことだかさっぱり分かっていません。親がキイキイ言うので、“偏差値”がどうも重要なものらしいことは分かっているとは思いますが、だからといってそれが何を意味するのか実感を持って理解していないし、それをどう活用するかなんて到底考えが及ぶはずがありません。だって、まだこの年頃では割合も百分率もきちんと習っていませんからね。

恐らく子どもにしてみれば、テストをすると点数とは別のよく分らない数字が付いてきて、それを見ると何だか親がキイキャア言い始まって困った…くらいの認識しかないのだろうと思います。子供にしてみたら天災でしかありませんね(^_^;)

6年生前半までの偏差値は、合格可能性と必ずしもリンクしない

4,5年生までの模擬試験など偏差値が出るテストは、カリキュラムに従って出題範囲が限定されています。基本的に習ったことが出るだけで、思考問題もそうありません。入試のそれとは問題構成も、質も違います。

そのため、この時期の偏差値は、各単元の習熟度を把握する“目安”として考えるだけにして、大らかに捉えるべきだと思います。中学受験初体験だと、パパもママも偏差値=合格を占うものと思いがちですが…。それとは、まだまだ別物ですよ!

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この時期に親がやるべきことは、子どもの解答を分析すること

6年生後半の受験期に入るまでは、親がチェックすべきことは偏差値よりも子どもの解答用紙の記入状況。どこで失点したかを具体的に把握することです。理解が甘いところはないか、暗記が危ういところはないか。または、どういったタイプのミスをしやすいのか、その子の解き方のクセを把握することが大切です。また、記述問題の解答の仕方や、算数の途中式の書き方などをチェックしてアドバイスしてあげるべきです。

この時期は、偏差値に一喜一憂するより、基礎を固めることが第一優先! そのためにも、偏差値を気にして親子で不安定な心理状態になったり、親子関係が険悪になってしまうのはとても残念なことですし、無駄な労力だと思いますよ。

偏差値のショックは大きくても…解答用紙をよく見てあげて!

実は、塾のクラス分けテストや模擬試験では、1問の配点がとても高いです。そのため基本問題一つミスしただけでも5点や10点の失点になります。当然偏差値にも大きな影響が出ます。

ですから、偏差値低いっ!ガガーン(>_<) と思っても、パパ、ママはそこで凹まず、ちょっと深呼吸でもして心を落ち着かせ、勇気を持ってよく解答用紙を見てあげて下さい。よくよく見て見ると、点数が低いのは子供ならではのしょうもないケアレスミスのせいだったり、時間が間に合わなかったためだったりします。つまり、もう少し大人になって“テストのお作法”さえわきまえれば、すぐに解決することが多いです。

urashimamama長男も…

urashimamama長男は、小学校のときはまだまだ子供っぽいタイプでした。理解度も高く、テストも丁寧に取り組みますが、時間配分が全くできません。そして限られた時間内でより高得点を取るにはどうしたらいいか策略を練ることもない。その上頑固で、納得行くまでやり続ける。そんな性格なので、受験をリアルに実感するまではテストは常に半分解けるかどうかでした。当然テストで高得点が取れるはずがありません。解いた問題は見事にミスなく正解しているのですがね…。

本来、4、5年生の時期は、全部埋められるけどミスだらけより、空白は多いけどミスの無い方が良いそうです。精度が高いということですから。年齢が上がるにつれ徐々にスピードを上げるようにさえすればいい、だから本当はミスがほとんどないことをたくさん褒めて励ましていくべきだったのに、中学受験初心者のurashimamamaとしては、偏差値が気になって、長男の理解度が偏差値に反映されないことに焦りを覚え、偏差値が出るたびキイキイ長男に怒っちゃってました(>_<)

キイキイ言ったからといって治るはずもなく、傷つけただけだったなあ…と。きっとそのおかげで塾の課題をこなすのもより億劫になっていったと思います。百害あって一利なし。長男、ごめんね(T_T)

長男、6年生の受験期に入ると、不思議とその辺のことが出来るようになりました。その点のところは成長が解決するようですよ。“物ごころがつく”ってこういうことなのかぁ! と感心したことを鮮明に覚えています。ただし長男、全てのことが結びついて形となって現れ始めたのが、受験直前の1ケ月を切った頃でしたが…ね(^_^;)