塾高 高入生はやっぱりアウェイ?2 附属生はキャラが立っている

高入生は、
実際のところ塾高になじめるか?
附属生と上手くやっていけるか?
ということについて、

前回記事では附属生の絆が強いことを書きました。
附属生と高入生が仲良くなれない、なんてことは決してありませんが、
全く壁が無いかというと…ちょっと違うかも。
さすがにそうまでフラットにはなれないんではないか~という内容でした。

高入生が部活やクラスで仲良くなっても、
附属生同士はこれまで一緒に過ごした時間がある。
そして附属生同士のつきあいは家族ぐるみのおつきあいでもあるので
そこにはなかなか入り込めない、見えない壁があると。

urashimamama長男は人見知りではありませんが、
常に友達と一緒にいたいタイプでもないので、
特にそう感じたのかもしれませんが。

そして高入生が附属生に対してアウェイに感じる要素はもうひとつ。

附属生はそれぞれに強固なユニークネスがあるということ。
要はキャラが立っているということですが、
このキャラの立ち具合がハンパない!ということです。

このキャラの立ち方、普通の公立高校から来た高入生にとってはちょっとビックリしてしまうほど尋常でない。
カルチャーショックを覚えるのに十分だと思います。

※ちなみにurashimamama記事では「附属生」、「高入生」という言葉で区別していますが、実際に塾高では「内部生」、「外部生」という呼び方で区別をしています。
ただこの「内部生」、「外部生」という呼び方、
中学では幼稚舎出身者を「内部生」、幼稚舎以外からの生徒を「外部生」、
高校では、普通部・中等部出身者を「内部生」、他中学からの生徒を「外部生」
大学では塾高・志木・女子高出身者を「内部生」、他高校からの生徒を「外部生」
と、少々流動的な言い方をするので、
ここでは塾高のみの区別として敢えて「附属生」、「高入生」という言葉を使っています。

 

附属生は趣味や特技を磨く。そのレベルがハンパない。

慶應幼稚舎では勉強よりも特技を磨く

幼稚舎では机上で行うことだけが学習ではないという考えが強く、趣味や特技を伸ばすことを重視しているようです。

urashimamamaも詳しくは知りませんが、幼稚舎では勉強らしい勉強はほとんどしなかったと幼稚舎ママがおっしゃっていました。
時間割で区切られた勉強をするのではなく、興味を持ったことにとことん取り組む方式だとも。シュタイナー教育っぽいなあ~と聞いていて思った記憶があります。

そういった雰囲気だからか、
慶應幼稚舎のご家庭では、お受験を終えて晴れて幼稚舎入学が決定すると、
今度はお勉強の塾でなく、特技をつくるためのお稽古通いを熱心に始めると
小学校お受験をした知人に聞いたことがあります。

だからかなあ~幼稚舎からの方は、特に何かしらの特技に秀でているという印象が強いです。いい意味でスペシャルなものを持っている存在って感じでした。

 

普通部の労作展は、プロ並みの制作物が並ぶ

慶応普通部(中学校)では、秋に労作展という行事があります。
これはいわゆる文化祭ですが、
その内容は夏休みの、いわゆる自由研究で取り組んだ制作物を展示するというもの。

そういわゆる“自由研究”です…が、
この展示内容が凄過ぎーーー。

urashimamamaも長男が小学生の時に一度その労作展を見に行ったことがありますが、
いやあ~ビックリビックリ。
それはそれは皆さま素晴らしく…
その極め方といたら、中学生の域をとうに超えているー!!爆

陶芸やら、油絵の絵画やら、ステンドグラスやら、彫刻、作曲…かなり高度なアート作品の数々、しかも大作がゴロゴロ…!
作品としてこれをやろうって、よく思いつくわよねというマニアックなものもたくさん。

水彩絵の具でお絵描きなんて、植物の観察日記なんて…どこにもない!(笑)

で、各作品には制作レポートが添えられています。
そのレポートの内容、実によくまとまっていて、さすが難関校と感心するものではありましたが…しかしその内容がスケールを越えていました。

たとえば、

  • 元々陶芸を習っていて、我が家の別荘の近くに陶芸家の方がいらっしゃるのでその方にご指導いただいて作品作りをしたとか
  • モーツアルトが大好きなので、ウィーンに行って調べてきましたとか
  • ステンドグラスの制作に興味があったところ、ある有名な工房を紹介していただき、そこに一ヶ月滞在して指導を受けながら制作したとか
  • 作曲をしてその曲をピアノ演奏してCDに納めて発表とか。作曲といっても、そこらへんの弾き語りじゃなくて、もうピアノコンチェルトだよって。

そんなスゴイ、豪華絢爛な研究の数々…
…さ、さすが慶應…!

中学生のレベルをとうに超えている、
というのもあるけど、
たかが自由研究に(“たかが”なんて言語道断なのでしょうが…庶民urashimamamaとして敢えて言わせて)
どんだけ金掛ける!?!?!?
ということにもビックリした…www

労作展に行ったのはもう10年近く前のことですが、それでも鮮明に焼き付いているなあ。
開成やら他の難関校の文化祭で見たものとは別次元のインパクトがありました~(^_^;)

開成とかは研究発表や制作物の内容そのものにレベル高っ!と驚きましたが、
慶應のこの労作展は、その凝り方、スケールのデカさにとにかくビックリというか…。

ただ、美しい素晴らしいキラキラした作品群がある一方、
そこそこ中学生らしい内容もありましたね。
英語翻訳も多かったのですが、その英語翻訳ノートが集められているコーナーには
「金のかからない英語翻訳!」
と生徒の字でタイトル書きされているクラスがあったのが記憶に焼き付いています。
普通部生の中でも素晴らし過ぎる作品群に対して何か思うところがあるのだろうか…。

塾高でお友だちになった普通部出身ママ(中学から)にも、労作展について面白いエピソードを聞きました。

当初、ホームセンターで木材を購入してDIY感覚で将棋の駒でも作ろうかと親子で話していたそうですが、
夏休み前の面談でその旨担任の先生に話したら、担任の先生に
「では山形ですか。滞在先はお決まりですか?ご紹介しましょうか?」
と、将棋駒職人の工房に泊まり込んで制作する前提で先生に話されてしまいビックリしたと。

まあ、そんな感じで何もかも本格派という感じなんですねー。

という感じに、普通部では皆さん労作展に向けてそれぞれに特技を極めている。
いや、勉強以外にも「○○といえば彼!」みたいな特技を求め、それを習得しようと日々極めていて、その成果を披露する場が労作展といった感じなのでしょうね。

 

 

慶應=お受験=運動ダメじゃない。むしろ附属生はアスリート!

福沢諭吉先生の教え、特に初等教育においては
「まず獣見を成して而して後に人心を養う」
という言葉があります。

「獣」という表現もなかなかスゴイですが、要は丈夫な体ということ。
要するに、勉学よりもまずは健康第一。
強い肉体を持つことで、健全な思考が宿り教養を磨くことができるという考え。
特に初等教育はこれを強く掲げているそうで
慶應幼稚舎の鉄の掟となっているそうです。

そのため「お受験」の最高峰である慶應幼稚舎では体育教育に非常に力を注いでいます。
一般的に「お受験」というと運動とは無縁に感じてしまいますが、正反対。

幼稚舎ママに授業らしい授業はなく運動ばかりしていたと聞きましたが、こういうことだったのですねー。

また普通部では夏休みに水泳合宿が行われるそうです。
福沢先生の「塾生皆泳」という考えから荒海でも泳げるように徹底的に仕込まれるらしく、かなりハードな内容で鍛えられると。

という感じで附属生の方が運動に強い子が多い!という印象もあります。

運動に、趣味に特技に…附属生はキャラが立っている

  • 幼稚舎時代から趣味、特技を磨く。
  • 「獣見を成して而して後に人心を養う」の精神でスポーツ教育盛ん!
  • そのおかげか、慶應は中学からの部活も種類が豊富で本格的。

なので、附属生は皆何かしら“誰にも負けない”スペシャルなものを持っているという印象が強いです。

サッカー部も、野球部も、スポーツ推薦で入ってきた高入生よりも附属生の方がスゴイなんてことも珍しくありませんでした。

実際にオリンピックの日本代表候補もいましたし。
あ、代表も!…そんなすごいレベルが複数人いました。
芸術分野でも将来世界的ピアニストになるだろう~と言われている子もいましたし…。

という感じで学問以外で突出した才能のある子がゴロゴロいて、
ごくごく普通の公立中学から入ってきた高入生にとっては、ちょっとビックリのカルチャーショックを覚えるレベルです。
高入生のほとんどは、おそらく小中時代、それぞれの学校でトップレベルだったと思いますが、そんなの全く通じない感がある。

また、特に一芸に秀ででいなくても育ちの良さからでしょうか?
豪快でとにかく明るくて存在感のある子だったり(まさに松岡修造みたいな感じ)、
強いリーダーシップを発揮する子だったり…
いわゆる“徳”があるってことなのかしらね~と
感心するようなお子さんも多くいらっしゃいました。
しかもそういう方は、さすがの○○の御曹司だったりして。
そういう御家柄の方はやはりそれだけのことはあるのね~と感心させらる感じでした。

はたまた、イケメン自慢、モテ自慢な子もいるし、

それから親御さんが芸能人とか超有名人だという子や、
お家がとんでもない大富豪で、とにかく大金持ちで大変とか…(笑)

とにかく、とにかく!附属生は「~といえば○○君!」という感じに
キャラが立っている子が多いなあ~という印象。

そんな子たちの前には、
高偏差値を誇り、厳しい受験を突破してきた高入生なんて全然キャラ薄過ぎ。
ただの一般庶民、モブキャラであることを思い知らされるのみです~。

 

勉学なら高入生が上では???いやしかし…

でも高入生は入試を突破してきたのだから勉強はそちらのほうが優位でしょう?
と思われるかもしれません。

実際に附属のお母様方からも、そのように言っていただくことがありましたが…
いやいやいやいやっっっ!

そんなのは大間違いだよーーー!
幻想にすぎません!

そりゃ入学直後は高入生の方が定期テストには強いと思います。
それは数々の受験を乗り越えたばかりの現役だから。
でも、そんなの半年するかどうかでリセット。
こっち方面でも附属生に軍配が上がります。

だって算数オリンピックの日本代表だった子もいるわけで。
そして、エスタブリッシュメントなご家庭が多い。
エスタブリッシュメントということはインテリジェントな血筋・環境にある可能性が高く、
ということは勉学に親和性が高い!
なので普段遊んでてもきちんと結果を出せる子が多いという法則が強固に成立。

そして何より彼らは、小学校お受験や中学受験の勝者ですから!
urashimamama長男が太刀打ちできずギブアップしたあの中学受験の覇者達です。
中学受験のあの大量の宿題を、幼いながらもきちんとこなしてきたから
普通部や中等部にいるのですよ。
一般的な子供より頭一つ抜けた状態で賢いことには間違いない!

彼らはurashimamama長男なんかより全然早熟で器用だったということなので、
油断してるとあっという間にやられてしまいます。

現にurashimamama長男やられてしまってましたよぉー(^_^;)

実際に、一学年約700名中、20人前後しか合格できない慶應医学部の推薦を取ったのは圧倒的に附属生でした。
成績的にも最トップ層は附属生、しかも幼稚舎出身であるケースが多いです。
高入生は中間層に位置していますね。

勉学の点でも、高入生、そこそこ成績取れるけど、やはり一般庶民の領域…(^_^;)

ただ高入生でもスポーツ推薦は一目置かれる存在。

ちなみに高入生の中には、スポーツ推薦で入ってきているお子さんがいますが、
彼らの場合は例外です。
あと帰国生も。

特にスポーツ推薦の生徒はキャラが立っているという意味で附属生にも注目の存在です。
慶應のスポーツ推薦は、全国大会優勝レベルが推薦対象なので。
各競技の有名人ってことですものね。
しかも慶應のスポーツ推薦は内申もほぼオール5ないとダメなので、まさに文武両道。

運動部の活動時間は長く、部員の絆も強いので、スポーツ推薦の高入生はスムースに打ち解けられると思います。urashimamama長男のクラスにスポーツ推薦の方が何人かいましたが、部活つながりですっかり溶け込んでいるようでした。

ただ、その代わりに勉強も厳しいから大変(>_<)とスポーツ推薦のママはハラハラされていましたね。
他の高校のスポーツ推薦とは違って彼らは頭脳明晰でもあるはずなのに。

そのママも、附属生はハードな部活動をこなしてるのに、なんだかんだと器用に成績を取ってる!と言っていました。

「全然勉強してないよ~」
と言いながら、
授業中いつも爆睡しながら、
ちゃっかりテストは点数取る。
それが運動部の附属生のようです。

附属生、どれだけ器用なんだ…??

 

まとめ

というわけで附属生、高入生クラスの人数比率としては半々ですが、キャラの濃さや存在感という点で附属生の圧勝です。

おかげで高入生はモブキャラ…笑

ただし高入生は大勢いるので、それはそれで平凡な庶民として固まっていられる安心感はありますね~(笑)。

urashimamama長男は、いつも一緒の高入生グループをホームに持ちつつ、ちょいちょい附属生友達と遊んでいたという印象でしたね。
部活が同じ附属生とはもちろん仲良かったですし。
「こんな濃いキャラの子たち、公立にはいないよ!慶應ならでは!」
と言いながら、この異世界をそれなりに楽しんでいたみたいです。

…ただ、これを面白がれるか、萎縮してしまうか、その子の受け取りようで学校生活は大きく変わるかなあと。

いわゆる公立中学の真面目な優等生タイプの子だと、自分から積極的に友達に声をかけて行けるタイプじゃないと当てられちゃうともurahimamama長男は言っていました。

実際にurashimamama長男のお友だちの中に不登校気味にもなってしまった子もいました。
原因はそれだけではないかもしれませんが…。

高入生は附属生の

  • 独特で強固なネットワーク力にたじろがないでいらいれるか
  • それぞれの濃いキャラを楽しめるか

が、塾高を楽しめるかどうかのカギですね。

urashimamama長男は、おかげ様で、不登校にもならず、
附属生とのつきあいも、そこそこ面白がっていましたが、
やはりurashimamamaとしては、常々大丈夫かなあ~馴染めているかなあ~と心配でした。

そして同時に、
内部生のいない普通の高校だったらどうだっただろう?
他の学校だったらもっとのびのびとアクティブに楽しめたのかなあ~?
と思うことも、しばしばありました。
まあ、たらればの話をしてもキリがありませんが…。

慶應への高校からの入学を検討されている保護者の皆さまは、
偏差値だけでなく、
我が子が附属生と対峙しても大丈夫なタイプかを
よーく吟味されたほうが良いかと思います。