最後のミッション!横浜翠嵐高校へ入学辞退届提出

入学辞退手続きは、誰にも気付かれずに行いたい…!

長男は横浜翠嵐高校の入学を辞退することに決めました。手続きを行うにあたって、長男としては周囲の友だちにバレないようにしたいと思っていました。

ちょうどその頃は、皆一通り入試が終わって一段落したところ。静かな日常を取り戻し始めているところでした。そして公立第一志望の子たちは粛々と、そして悶々と合否結果を待っている最中。しかも親しい友人の何人かが横浜翠嵐高校の合否待ちをしていました。

このタイミングで横浜翠嵐高校辞退の事実が知れたら、皆の気持ちに少なからず波風が立つだろうと長男は思いました。だからバレたくない。辞退の手続きをしているところは誰にも見られたくない。

先生からも入学辞退届を学校に持参するときは、朝すぐに出すよう言われてはいましたが、バレないという意味でも、やるなら朝の方が都合がいい。しかも早ければ早いほどいい…!!

入学辞退届提出! 当日の朝の行動

入学辞退届を持参したその日の朝は、皆が来る前に職員室に到着しようと、登校ピーク時間帯よりも30分ほど前に着くように学校に向かいました。狙い通り、職員室に着くまでの間、誰にも目撃されずにたどり着くことができました。

辞退について先生方には事前に話をしておいたので校長印はすぐにいただけました。そしてそのまま高校に向かうよう勧められ、教室に立ち寄らずに横浜翠嵐高校へ。ここまでは速やかに事を済ますことができたので、学校を出たタイミングも生徒登校ピーク時間帯よりちょい早めでした。

長男も、長男なりに緊張したようで、それなりに工作。バレないようマスクをしてベンチコートを羽織り、普段と違う雰囲気にしていた(←若干不審者っぽい(笑))。そして通学路で誰かに会ったとしても、声を掛けるスキがないほど早いペースで歩きました。万が一誰かに会ったとしても怪しまれないよう「忘れ物しちゃたーーーっ!! 急いで家に戻らないとぉぉっっ!」というオーラをバンバンに振りまきながら。

数々の努力のおかげか、クラスの友だちや部活の友達・後輩の誰にも会わずに中学校構内を脱出成功! 通学路でも知り合いに誰一人会わず駅にたどり着くことができ、電車に乗ることができました。一大ミッション、文句なしに完璧に終了! あーよかった、よかった…。

一大ミッション成功! しかし…

ところが、ところが! それでもやっぱりいたんです。目撃者が! どんなに完璧にやったつもりでも、たまたま見ちゃう人っているんですよね!! そして、そういう人に限って噂にビビットに反応するタイプだったりする。そういうタイプの人は、才能なのでしょうか!? 自分が求めているわけじゃなくても、ネタの方が吸い寄せられてくるというか、なぜだかその場に居合わせちゃう。不思議なパワーがあります。

ただ残念ながら、そういう人が世紀の大スクープを発見した時は、他に目撃者がいなくて誰にも信じてもらえなかったりする。それが救いであり、お茶目なところというか…。まるで『奥様は魔女』の「あーたっ!」って大騒ぎする隣の奥さん、グラディスさんみたいな感じ(分りますか!? 古い!?(笑))。

長男の一連の行動を唯一目撃したのは、幼稚園からのお友だちで同じクラスのS君。お友だち情報のアンテナは敏感なタイプです。だからといって噂をダダ漏れにするわけではないので嫌われてはいませんが、ただあまりにも裏表のない性格で、情報の裏取りを、本人にあまりにも唐突にダイレクトにするので、言われた本人は「なんで知ってる!? 」と、ドキッとすることがあるようです。長男、奇しくもそのS君に目撃されていた…!

その日の朝はS君、何の因果か、妙に早々と登校。一番に教室に到着し、「早く誰か来ないかなぁ~♪」と教室の窓から外を見下ろしていたそうです。長男、周囲を見回し注意をしながら完璧に行動したつもりでしたが、まさか盲点が上空にあったとは! (笑)。

S君、長男が登校する姿を目撃。S君と長男は仲良しだったので「おー! きたきた。一緒に時間つぶせる。早く教室に来ないかな♪ 」と長男が教室に入ってくるのを心待ちにしてくれていたそうです。

長男を待ちながら、他にも誰か来ないかなあ~と窓の外を見降ろし続けていると…。
「あれーーーーっ!? なんで帰って行くんだ!?」
なぜだか校門を出て行く長男、キョロキョロと周囲を気にしながら足早に学校を出て行く長男が見えた。
(?_?)(?_?)(?_?)
どうみても長男だ。でも、他の友だちは誰も来ていない。確かめようがない…!!!

入学辞退の手続きを完了し、長男が学校に舞い戻ったのは2時間目の途中。入試後の普段に戻ったこのタイミングで遅刻する生徒はめずらしい。遅刻して登校してきた長男に、クラスの皆が「大丈夫?」、「どうしたの?」と心配して声を掛けてくれたそうですが、それに対して長男は、
「受験疲れみたいで、ちょっと調子悪かったから遅れてきた~」
とごまかしていました。

そこへS君、
「ねーねーねーねー! 朝一旦来て、帰って行ったよねえ! 何、何!? 何があったの?」
と、唐突にあっけらかんと長男に質問。
長男、ギョーーーーーっ!!!
「なんでよりによってS君が目撃!? 」
と動揺しながら、
「え? えー? な、何のこと~かな? 」
と、目を白黒させながら、もごもごしてスル―。

「えー? 俺確かに見た気がするんだけどなぁ~」
とさらに突っ込もうとするS君に、周りの友だちが
「ただの見間違えなんじゃないの―? 」
と誰も取り合わず。どうにか難を逃れたそうです…。

S君には、その後、公立高校の合格発表も終わり、春休みに入ってお互いの進学先をカミングアウトしたときにこの時の種明かしをしたそうです。

こうやって考えると、「見間違えなんじゃないの―?」と、取り合わないでいてくれた友だちは、もしかしたら何か予感して、S君にガードをかけてくれたのかもしれませんね。

S君のママは私も仲良くさせていただいていて、さっぱりと明るくとてもいい方です。でも、その裏表の無さと、なぜだか不思議と噂のスクープ現場に居合わせちゃう感じが、ウソみたいにそーーーっくりっっっ!!!!親子って、こんなとこまで似ちゃうのぉぉぉ!? とビックリしました。

このエピソードを聞いて、もう笑いが止まらなかった母でした(爆)(爆)(爆)