慶應志木か、開成か!? 2

それぞれの学校は入学手続きを競合校とぶつけて入学者の意志を確認

慶應志木を選ぶか、開成高校を選ぶかの決断の猶予は2時間。

慶應志木の入試日は首都圏難関校の中では一番早い日程のため、本命の生徒以外にも、開成、筑駒、学芸などの首都圏難関校狙いが練習校として集結します。

ですから慶應志木としては、慶應志木、少なくとも慶應(志木&塾高)に入る意志が本当にあるのかどうかを、合格発表後に即行で入学金を納入させる形ではかります。しかも開成高校の合格発表とタイミングを合わせて「お宅はどっちが本命?」と迫る。開成の合格発表の2時間後が慶應志木の入学手続締切。しかも慶應志木は授業料半年分も含め、約90万円を支払えと言う。90万円。本気度が試されます。

そして開成は開成で、入学金振込期限を筑駒、学芸など国立大附属高校の入試日にぶつけてくる。入学手続締切は13日の12時。国立大附属高校入試の真っ最中です。試験の手応えを確認できない状況で「筑駒、学芸の押さえとして払っといた方がいいんでない?」と迫る。

不謹慎ではありますが 見ようによってはそんな意図も垣間見られます

そんな感じで学校の多くは、その学校の受験生が天秤にかけていると思われる学校で、自分の学校よりレベル高と思われる学校と同じタイミングに合格発表、入学手続締切をぶつけては、本当に入学する気があるのかどうか、白黒つけさせようとします。

そうはいっても白黒付けるのは難しい!

だからといって、受験生側だって簡単に白黒付けられる状況ではありません。だって、本命はまだ先なわけですから。

我が家は、

  • 志木の入学金は塾高に移動できるといっても塾高の手応えが分らない。
  • 開成高校に納入するとしても、筑駒の手応えが分らない。
  • 慶應は手続き金90万。辞退したら入学金を差し引いて返金されるといっても、いきなり90万はキツイ。
  • 開成は40万。慶應より安いけど、遠いし、捨て金になる可能性大。
  • この二校の手続きをスル―した後、万が一全敗したら、とんだ采配ミスになる。

という、何もかも先が見えない、不安な状態で決断を迫られました。お金持ちなら合格出るたびに片っ端から入学金を払って押さえまくればいいのでしょうが、うちはそうはいかない できるだけ“捨て金”を作らないようにと考えたいけど、でも、お金だけでは割り切れません 長男の今後の人生の展望も絡むわけですから。答えを出すのが難しい、究極の選択です 

長男に聞いてみても、「別にどっちでもいい。パパとママに任せます」くらいな返事。大金が絡むことに気遣いしてくれているのもありますが、何より今は、受験期間の真っただ中。しかも本命の筑駒直前です。そんな、親のなぞなぞ話につきあっている場合ではありません。パパと二人であーでもないこーでもないと、ぐるぐる会話を繰り返していましたが、いつまでたっても答が出ません。

双方の実家に相談してみた

そこで、それぞれの実家の両親に電話をして、アドバイスをもらおうということになりました

私の両親に電話をすると、そこまでレベル高の学校が選択肢になっていることに喜んでくれつつ、「人生、学業成績が全てじゃない。東大が全てじゃないよ」との言葉。「本人が充実した学生生活を送ることが第一。成績優秀だからといって一番を争う競争に巻き込まれてはいけないよ」、と。なるほど。私を中学から大学附属校に入れただけあります。

そして、パパの実家に電話。パパの父は、普段物静かで言葉少ない方ですが、パパが相談するとキッパリと一言。「金額や偏差値じゃなく本人の意志を一番に尊重しなさい。とにかく本人が一番行きたいところに行かせてあげなさい」と。パパ、電話を切った後ちょっとウルッとしてました。

そうです。二十数年前、私たちの進路を考えるとき、両親は、私たちのことをそう思いやってくれて
一生懸命送り出してくれたんですね。

これまでの受験期、模試の偏差値や成績順位に一喜一憂し、成績を学校ランクに照らし合わせ、学費を確認しながら学校を比較して…。そんな作業の繰り返しばかりで頭いっぱいになっていたところでハッとさせられました。

「まずは本人の行きたいところに」

親の思いに感謝です